瀬戸内町は2019年4月から、県立古仁屋高校への留学生を受け入れる寮を開設する。寮には古仁屋高校コーディネーターとして地域おこし協力隊を配置。町企画課の担当者は「寮を拠点とした高校活性化とともに、地域振興を図りたい」としている。
生徒減少による学校存続が懸念されている古仁屋高校は今年6月、全国から入学生を募集するため「地域みらい留学フェスタ2018」に参加。大阪、東京の2会場で同校ブースを訪れた複数の生徒から入学(留学)希望があり、寮の整備に向け動きだした。
寮は同町清水の単身向け県職員寮を改装する。近年入居希望がなく利用されていなかったため「町の振興に活用して」と県から無償貸与を受けた。町は11日に開会する町議会12月定例会に関連予算案を上程。可決されれば、本年度中に内装工事を進め、入居できる態勢を整える方針。
改装デザインのコンセプト(考え方)は、町と地域振興に係る覚書を締結している福山市立大学都市経営学部(広島県)の根本研究室(根本修平講師)が考えた。個室14部屋のほか、地域住民や生徒同士が交流できる共有スペース、保護者が泊まれるゲストルーム、女性専用ゾーン(区域)、公衆無線LAN「Wi―Fi」、防犯カメラの設置などを予定している。寮の名称は古仁屋高校生から募集する。
根本講師は「学生と一緒に考えた。例えば各部屋に冷蔵庫を置かず、みんなが飲み物などを取りに集まる場所とか、一人になれる場所も設計でコントロールしている」と工夫点を挙げた。
現在募集中の高校コーディネーターは、寮を拠点に高校活性化に向けた「古仁屋高等学校地域みらいNewDayプロジェクト」を展開し、町の教育、福祉、観光、産業、コミュニティーなどの振興につなげる役割が期待されている。