西郷隆盛と愛加那の長女菊子(菊草)とみられる写真がこのほど見つかった。実兄の西郷菊次郎家族と一緒の記念写真とみられる。菊次郎のひ孫にあたる女性宅で発見された。龍郷町学芸員の川元美咲さんは「子孫からの提供で菊子本人にほぼ間違いない。これまで菊子本人の写真は見つかっていない。貴重な資料」と重要性を指摘している。近く、同町に正式に寄贈され、町生涯学習センターりゅうがく館2階文化財展示室で展示される予定。
川元さんと西郷隆盛研究家の原田良子さんが協力して調査した結果、菊子は12歳前後に鹿児島に迎えられた後、大山誠之助と結婚したが、その後別居。京都市長時代の菊次郎が菊子とその次男、次女を呼び寄せている-ことなどが分かっている。
寄贈された写真の中には、菊次郎との続柄を示す資料も添付。菊次郎家族の中に菊子とその子どもたちも一緒に並んで写っている。 川元さんによると、提供された写真はA4サイズで複写版。関東在住のひ孫の女性が自宅で資料を整理中に偶然見つけたという。川元さんは「菊次郎が菊子家族を引き取ったことは分かっている。写真を撮った日時や場所について調査している」と話した。
今回の写真提供は、西郷隆盛について龍郷町で公民館講座などを開講している志塾・西郷塾のメンバーと菊次郎のひ孫女性が数年前から交流があったため、同塾を通して同町に寄贈の話がまとまった。
同塾の久保笙子さんは「愛加那にも焦点を当てたいとの思いで活動をしている。その活動の一環で菊次郎のひ孫の女性とメンバーが知り合い、今回の写真提供の話が持ち上がった」と話した。