奄美市のすみよう漁業集落(森田勇代表、25世帯)は水産資源を育て確保するため1日、同市住用町の住用湾周辺でマダイの稚魚約千匹を放流した。市小中学校(岸田さゆり校長、児童生徒9人)の児童5人も協力。用意したバケツに稚魚を入れ、「大きく育ってね」と声を掛けながらそっと海に放していた。
離島漁業再生支援交付金事業を活用。稚魚は体長10㌢ほどで、瀬戸内町にある近畿大学水産研究所奄美実験場から購入した。
漁業集落の漁師らが漁船に乗り込み、住用湾内の2カ所に計500匹を放流した後、市漁港近くの防波堤から、市小中学校の児童が残りの500匹を放した。
参加した田中三四郎君(小学5年生)は「こんな小さい魚が大きくなるのかと驚いた。きれいでかわいい」と笑顔で話した。
燃料の高騰や水産資源の減少などで奄美の漁船漁業を取り巻く環境は厳しい。諏訪原清高副代表(72)は「ハージン(スジアラ)の放流は成果が出始めており、マダイにも期待したい。これからも水産資源を守り育てる活動を継続していきたい」と話した。