江戸時代末期から明治初期に活躍し、瀬戸内町阿木名集落で6年余り生活した県本土出身の漢学者、重野安繹(やすつぐ)に学ぶ会(阿木名まちづくり委員会主催)が1月31日、阿木名集落公民館であった。同町立郷土館学芸員の町健次郎さんを講師に、集落の人材育成にも貢献した重野の功績や人柄を学び、西郷隆盛、大久保利通らと共に生きた激動の時代に思いをはせた。
学ぶ会は2017年度3回目。今回は重野の妻ウミの人生や、同時代に活躍した偉人と重野の関係などについて理解を深めた。
重宝してくれた薩摩藩の第11代藩主・島津斉彬が急死した同じ年に奄美大島流刑となったことについて、町さんは「西郷のように重野も悲しみを背負って島に来たと思われる」と推察。
大久保や西郷との親交に触れ、「重野は、現在放送されているNHK大河ドラマ『西郷(せご)どん』でもキャラクターとして設定できるほど重要な人物。学者として中間的なスタンスを持っていたのではないか」などと語った。
この日の学ぶ会には集落内外から約30人が参加し、熱心に耳を傾けていた。碩伊吹さん(15)=阿木名中3年=は「(重野が)大久保や西郷と関わりがあると知り、びっくりした。そのような人が阿木名で塾を開いていたことはすごいことだし、うれしい」と話した。
10日は同じ会場で集落などが主催し、「西郷隆盛と重野安繹」をテーマとしたミニ勉強会がある。