第15回奄美ティダの環市が21日、奄美市名瀬のティダ館をメイン会場に開かれ、新鮮野菜や総菜、手作り小物などが売り出された。旬のアッタドコネ(有良ダイコン)目当てに訪れる人も多く、300本用意した商品は1時間を待たずに売り切れる盛況ぶりだった。
NPO法人「奄美ティダの環」(平田暉子代表)の主催。「アッタドコネまつり」も同時開催された。
名瀬有良集落に伝わる伝統野菜アッタドコネは独特の香りや苦味があり、煮崩れしにくいなどの特徴がある。ほとんど市場に流通しておらず、一般市民が入手できる機会はごく一部に限られる。
今年は葉付きで1本300、400、500円の3種類を用意。全国的な野菜高騰も影響して多くの人が詰め掛けた。午前10時のオープン直後から飛ぶように売れ、ティダの環会員らが慌ただしく対応していた。ドコネ入り豚汁の販売も好評だった。
初めて購入したという60代の主婦は「おいしいと評判を聞いて。最近は野菜が高いので助かります」と話した。
アッタドコネ栽培に取り組む「あったどこねくらぶ」の豊智恵子代表は「今年は腐れも少なく、きれいに育った。メンバーが少ない中の活動は大変だが、お客さんの喜ぶ姿を見ると本当にありがたい」と感謝した。