奄美市立奄美博物館の企画展「『南島雑話』展―写本の成立背景とその時代―」が3日、奄美市名瀬の同博物館3階企画展示室で始まった。史料公開は14年ぶり。初公開となる名越左源太直筆の「雑記下書」など貴重な史料や解説パネルが並び、来館者に「南島雑話」の魅力と歴史的価値を伝える。25日まで。
南島雑話は近世奄美の習俗を絵や図を盛り込んで詳細に記述した史料の総称。市の指定文化財。博物館所有の写本5巻のうち、「地理纂考・通昭録・南島雑記」「川辺郡七島記」は初公開となる。
企画展は南島雑話の写本が成立した背景、近年の研究で明らかになったことなどを紹介し、史料の魅力を知ってもらおうと開催。写本などは週ごとに展示するページを変更する予定。初日は名越が島民にもてなされた料理内容を記した日記や女性用着物の直筆スケッチなどが展示された。
奄美市名瀬の加藤美紀江さん(42)は「島の昔の生活に興味がある。史料には女性着物の寸法や柄の特徴など細かいことも書かれていて面白かった」と話した。
開館時間は午前9時~午後5時。