9月末から2週連続で奄美群島を襲った台風で、漁業や観光関連業に大きな影響が出た。漁業者は10日以上も漁に出られず、やきもき。暴風雨で施設の一部が被害を受けた宿泊施設では台風通過後の宿泊者受け入れ増に備え、損壊部分の復旧作業に追われている。
名瀬漁業協同組合によると、台風24号接近前の最後の出漁は、ほとんどの漁船が9月25日ごろ。満林春男組合長は「毎回、台風の接近時には頭を痛める。自然災害でどうしようもないが、2週連続には参った」と困惑し、「漁業者の生活維持だけでなく市民の台所を預かる立場からも、これ以上の台風接近がないよう願うばかり」と祈った。
6日、名瀬漁港の岸壁に船を接岸させ、出漁の準備をしていた男性は「2週間ほど(漁に)出られなかったが、ようやく船を出せる」と笑顔で話した。
奄美市内のホテルでは、2週連続の台風で予約客のキャンセルが発生したが、災害復旧の工事関係者の受け入れや宿泊客の延泊で、客室の稼働率に大きな影響はなかったという。
ただ、台風24号の影響で客室の窓ガラスや浴場の給湯施設が損壊し、使用できない状態の客室も複数発生。2週連続の台風で復旧作業がままならない状況だったという。
台風25号が遠ざかったことで宿泊申し込みも再び増えており、担当者は「可能な限り受け入れができるように、施設の修復を急ぎたい」と力を込めた。