土砂崩れで先月30日から全面通行止めとなっていた奄美市名瀬小浜町の市道小浜28号線が6日、時間帯を限定して片側交互通行で仮復旧した。この日は午後5時半ごろから約2時間ながら、6日ぶりに車両通行が可能となり、住民らは「少しほっとした」と、安堵(あんど)の表情を浮かべながら車で行き交った。
全面通行止めとなっていたのは、伊津部小学校グラウンド横から東が丘団地方向へ100メートルほど登った地点。山道を上がっていく避難用歩道は確保されているが、車両が通れる迂回(うかい)路はない。
現場より高台にある東が丘団地(125世帯205人)はその間、半孤立状態が続いていた。団地に住む女性(67)は「主人は数日ぶりに今日帰ってくるが、住用町に泊まり込みで働いていたので、疲れきった様子。明日一緒に買い物に行ければ」と夫の帰りを待っていた。
仮復旧に先立ち、6日午後1時ごろから工事作業車が東が丘団地に入り、倒れた電柱の立て直し工事などを行っていた。市側によると、7日以降も工事関係車両や緊急車両は指定時間帯に限らず通行できるという。
東が丘自治会長の松下京子さん(71)は「全面通行止めの間、急患や火事が一番怖かった。住民生活が少しずつ戻ってきていると実感する」と胸をなで下ろした。
7日以降、片側交互通行となるのは、午前が6時半~8時半、午後は5時半~7時半。全面復旧の時期は未定。市側は、天候や現場の状況などをみて、片側交互通行時間帯の拡大を検討する一方、指定時間帯でも全面通行止めとなる可能性があるとしている。