龍郷町の「自由研究発表大会・環境教育シンポジウム」が15日、同町りゅうがく館であった。児童生徒6人が夏休みに行った研究の成果を発表したほか、11人が各校で実施した環境保全の取り組みを紹介。野生生物を脅かすノネコの存在や海岸に打ち寄せる漂着ごみなど身近なテーマで問題提起し、「一人一人ができることから始めよう」と呼び掛けた。
環境保全発表には5組が登壇。秋名小6年の池田亜翔夢君は世界的な問題となっている「マイクロプラスチック」について、海岸清掃の体験を交えながら「プラスチック製品を減らすこと、地道なごみ拾いを続けることが大切」と話した。
龍南中2年の碇山心優さん、松尾友月さんは野山の生態系を壊す外来植物の駆除の取り組みについて、龍北中3年の新島楓夕さん、嘉佳奏さんは同校が奄美海上保安部と協力して毎年実施している漂着ごみ調査についてそれぞれ紹介した。
龍郷小4年の龍萌々香さん、3年の清田美莉愛さん、前田遥さん、髙橋つむぎさんは「ノネコ問題は人間の無責任さが引き起こしたもの」と指摘。「猫も野生動物も大切な命。最後まで責任を持てる人だけがペットを飼うべき」と訴えた。
円小4年の圓山結礼さん、姫野楓雅君は「地球の未来のために自分たちができること」として、エコバッグの利用や自然素材を使った小物作りなどを提案した。
自由研究発表では、種の発芽・成長と環境の関係性や、小銭の素材を金属の密度から割り出す方法など、学校で習った内容を応用して実証した研究の内容が紹介された。
鹿児島市平川動物公園の落合晋作さん、上野動物園の高橋幸裕さん、奄美野鳥の会の永井弓子さんがそれぞれ講話し、「これからも志を持って研究や活動を続けてほしい」と児童らへエールを送った。
発表会・シンポジウムは龍郷町環境教育実践研究事業の一環。児童生徒とその保護者、学校関係者ら約70人が参加した。