知名町主催の町民創作ミュージカル「えらぶ百合物語」が16、17の両日、あしびの郷・ちなで上演された。昨年夏から厳しい稽古を重ねた町内の子どもらが情感たっぷりの演技や歌、踊りを披露。舞台に懸けた出演者の情熱と郷土愛が感動を呼び、上演後は満員の客席から大きな拍手が送られた。
ミュージカルの初公演は2011年1月で、今回が4回目。過去に出演した沖永良部高校生らが熱望し、今回6年ぶりの再演が決まった。高校生を中心に小学生から一般まで約30人が出演した。
脚本は劇団ニライスタジオ代表で、鹿児島の歴史をモチーフにした作品などを手掛ける松永太郎さん(志布志市出身)が担った。
えらぶ百合物語は高校のエイサー部に所属するユリが短期留学先の米国で家族のルーツを知り、古里の魅力を見つめ直す作品。外国と沖永良部島、さらに過去と現在を舞台に展開され、島特産品のエラブユリも重要な要素として物語を彩った。
劇終盤には「みんなと分かり合うにはもっともっと自分の島のことを知らなくっちゃ」とのユリのせりふも。家族や友人、恋人、古里などたくさんの愛に満ちた感動のストーリーと、はつらつとした演技に会場は感動の渦に包まれた。
上演後、沖高3年の松元さくらさんは「舞台を通して伝えたかったのは、この島をもっともっと好きになってほしい、島の文化、人の温かさを誇りに感じてほしいということ。たくさんの人に来場してもらいうれしい」とあいさつ。観客と舞台を支えた関係者や家族らにお礼を述べた。