障がいのある人々が気軽に路線バスを利用できる喜界町の「お出かけパス」制度を利用したバスツアーが21日、島内であった。ほっと館小規模作業所の利用者とスタッフ10人が参加。バスの旅を楽しみ、住民と交流した。
参加者はこの日午前10時ごろ、赤連の町中央公民館前から乗車。バスの中では、地域住民と交流したり、外の景色を楽しみ、塩道で下車。降りる際には、お出かけパスを運転手に確認してもらった。その後、喜界島サンゴ礁科学研究所を見学し、塩道長浜公園で昼食を取り、楽しいひと時を過ごした。
参加者からは「バスは小さい頃に一度乗ったきり。みんなで乗って楽しかった」「塩道方面に来る機会がなく、景色を楽しめた」「バスが通っていれば、スギラビーチや百之台にも行ってみたい」との感想があった。
喜界町は4月、障害者手帳を持っている人が路線バスを年間1200円で利用できる「お出かけパス」をスタートさせた。ほっと館は、NPO法人喜界福祉ネットごま畑(得本拓代表)が運営。精神疾患や身体的障がいがある方などが通所し、社会参加を目指す活動をしている。
ほっと館の利用者は普段、名刺やカレンダー作成、障子の張り替えなどの作業をしている。みんなで外出する機会は少ない。バスツアーは喜界バス(西尾勝幸所長)が協力し、実現した。
喜界バスの西尾所長は「障がい者にもっとたくさんバスを利用してほしい。一人でも気楽に出かけられるよう安全安心をサポートし運行していきたい」と述べた。喜界町保健福祉課の吉行進課長は「以前から要望は出ていた。障がいのある人々が積極的に外に出かけるきっかけになればと思う」と話した。