2014年春の甲子園出場で奄美を沸かせた若者が熊本大学リーグで旋風を起こしている。県立大島高校から熊本大に進学した重原龍成さん(21)=4年=と、白井翔吾さん(20)=3年。1日にあった熊本四大学野球春季リーグ最終戦に出場して熊本大の初優勝に貢献した。重原さんらは「大学でも明るいニュースを報告できてうれしい」と笑顔を見せた。
大島高校は14年3月、第86回選抜高校野球大会に21世紀枠で出場。当時、重原さんは主将、白井さんは捕手を務めた。
熊本大学リーグ最終戦に重原さんは2番二塁手、白井さんは7番三塁手で出場し、重原さんは1安打、白井さんは好走で4点目のホームを踏む活躍。チームは強豪東海大九州を4―2で退けて悲願の初優勝を果たした。白井さんは大会ベストナインに選出された。
18日に全日本大学選手権大会(6月、神宮球場ほか)の出場権がかかる南部九州大会が熊本県で開幕する。16年4月に起きた熊本地震を経験した2人は「地元開催というめったにない機会。見ている人が元気になる試合を見せたい」(重原さん)、「高校の時果たせなかった県の頂点を取れた。熊本県代表として全力を尽くしたい」(白井さん)と力を込めた。
大島高校OBの熊元秀次郎さん(72)=熊本市在住=は「今季の熊本大は接戦の末の劇的な勝利が多く応援しがいがある。2人が出場し始めたころからチームが勢いづいた」と話し、「OBとして鼻が高い。甲子園で奄美を盛り上げたように今度は神宮出場で熊本に元気を与えてほしい」と目を細めた。
熊本地震発生時、重原さんは熊本大の2年、白井さんは1年生。大学は休校になり、2人は奄美大島で被災者支援の募金活動を行った。