瀬戸内町の阿鉄(岩元勝郎区長、26世帯)と久根津(森正三郎区長、27世帯)両集落に開設された農産物直売所が好評だ。ともにオープンして4日で2カ月。口コミで集落内外に知られ、行楽客も立ち寄る。両集落は大島海峡に面する。関係者は「高齢者の生きがいづくり、観光客や住民の交流の場にしたい」「高齢化、人口減少が著しい西部地域の活性化につなげたい」と意気込んでいる。
阿鉄集落の直売所名は「なあきゃんみせ」。町の助成金30万円を活用して空き家を改修。不足分は同集落を拠点に活動するNPO法人セイラビリティ奄美(高野洋志代表)と住民有志が手弁当で準備を進めた。
集落内外の会員24人が出荷する野菜、手芸品などのほか、協力する福祉事業所の加工品や陶芸サークルの陶器を販売。近くに商店がない地域住民の要望に応えて日用品も置いている。
まだ試験的運営で、資金が調い次第、店内設備や商品を充実させる予定。「会員大募集中」で、同直売所の榮富男代表(79)は「これまでは畑で農産物を作っても売る所がなかったが、これからはここで売れる。夏は集落特産パインも出てくるので多くの人に立ち寄ってほしい」と話した。営業時間は午前9時~午後1時、月曜定休。
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久根津の直売所「ほーらしゃ市場」は久根津生産組合が運営。数年前の台風で全壊した選果場の場所に建物を新築し、選果場と直売所を併設した。建設費用約900万円は県、町、生産組合が分担した。
会員は集落内外の15人で、タマネギやシマウリ、ジャガイモ、ダイコンなどを販売。時季になれば、パッションフルーツ、スモモ、タンカンなど果物もそろう予定。同組合長でもある森区長(65)は「現在は無人だが、今後は店員を配置し、商品を充実させたい」と張り切っている。営業時間は午前9時~午後5時、年中無休。