人類が日本に至るまでの航海の軌跡をたどる探検家・関野吉晴さんのドキュメンタリー映画「縄文号とパクール号」の上映会に合わせたトークイベントが25日、奄美市名瀬の奄美博物館であった。
武蔵野美術大学「おおむら・あまみ国際学生映画祭」実行委員会主催。映画は、アフリカで生まれた人類が世界中に拡散する道筋をたどってきた関野さんが、現代文明に頼らない原始的な舟を使って、インドネシアから日本まで航海した記録。
上映前にあったトークイベントは関野さんと奄美博物館学芸員の高梨修さんが「あまみへの/からの航海―奄美人はどこから来たのか、その謎に迫る」をテーマに語り合った。
関野さんは、日本人のルーツについて「渡ってきたルートは大きく三つあるが、危険だといわれる海上ルートも私はあると考えている。島から島に長い年月をかけて少しずつ渡ったと考えている」と語った。
高梨さんは「奄美大島では3万年前の遺跡が見つかっている。そこの石器などがどこから来たのかは結論に至っていないが、分かっているのは舟でしか奄美に渡れなかったこと」と話した。
会場から探検の魅力を問われた関野さんは「新しい見方や考え方が得られること。問題を解決するにはいろんな視点を持つことが大切で、自分を成長させてくれる」と語った。