瀬戸内町教育委員会が調査を進めている同町久慈の近代遺跡「久慈水溜(ため)(佐世保海軍軍需部大島支庫)」跡で24日、発掘現場公開イベントがあった。町内外から小学生―一般約50人が参加し、水溜内部の見学や測量調査などを体験。建設当時の歴史を学び、遺跡の重要性を再認識していた。
赤れんが構造の久慈水溜跡は1895(明治28)年に建設され、奄美に現存する戦争遺跡では最古の施設とされる。集落の山裾には、同じく赤れんがの取水口と、ろ水池を確認することができる。
この日は午前と午後に約1時間の公開時間を設けた。町教委埋蔵文化財担当の鼎丈太郎さんが施設の概要や特徴を説明。参加者は水溜と、ろ水池跡の2カ所を見学した。
宇検村から参加した女性(67)は「来てよかった。当時の海軍の高い建築技術とともに、このような小さな島がその時代から国際社会の中に組み込まれていたことに驚きを感じる」と話した。
同町は国庫補助事業を活用して2014~16年度に町内にある近代遺跡の分布調査を実施。17年度からは内容確認調査を進めており、久慈水溜跡は3月8日まで調査する予定。