1日午前11時20ごろ、奄美海上保安部へ「奄美市名瀬の朝仁海岸に油のようなものが漂着している」と通報があった。海岸の広い範囲に黒色の油様の物体が落ちており、奄美海保が原因や成分を詳しく調べている。
発見した住民から名瀬保健所を通して奄美海保へ通報があった。近くに住む住民によると、油様の物体は少なくとも1月31日午後3時ごろからあったという。
朝仁海岸近くでマリンスポーツサービスを展開する男性(33)は「所属するカヌークラブのメンバーが発見し、注意を呼び掛けていた。たまに少量見つけることは今までにもあったが、これだけの量は初めて。先日のタンカー事故の件もあり心配」と話していた。
油様の物体は十島村の宝島でも1月27日に確認されており、先月、東シナ海で衝突・炎上し奄美沖で沈没したイランのタンカー事故との関連性を指摘する住民らから不安の声があった。
関係者によると、同事故で流出した積み荷の軽質原油「コンデンセート」は一般的に無色または淡黄色。第10管区海上保安部は「漂着物が積み荷の油の可能性は低い。タンカーの燃料油の可能性も含めて調査しているが、現時点で関連性は不明」としている。