大島紬の若手技術者でつくる「本場奄美大島紬NEXTプロジェクト」(南晋吾プロジェクトリーダー)は20日、プロジェクトを始動させた。初日は龍郷町戸口の戸口川沿いで、大島紬ののり張り作業を実施。メンバー5人が参加し、そろえた絹糸に海藻(イギス)が原料ののりをつけ棹(さお)に張り、天日で乾燥させ固める作業に汗を流した。
メンバーは大島紬の需要拡大や若手後継技術者の育成などに取り組む本場奄美大島紬協同組合青年部会(黒田康則部会長)に所属する男女11人。大島紬の新商品開発を進めるため、昨年10月、インターネットで資金を募るクラウドファンディングを開始。今月15日までに全国81人から約300万円の支援金が寄せられた。
本場奄美大島紬はすべてが手作業で、約30~40の工程がある。プロジェクトでは、全工程を若い世代で担うのが特徴。メンバーは「若い世代に大島紬を着てもらおう」と伝統的な技術を生かしながら、現代的な感覚を取り入れたデザインの大島紬の商品づくりに取り組んでいく。
南リーダーは「予想以上の支援金に感謝したい。期待の高さに身の引き締まる思い。すべての工程を私たち若い世代が担当し、受け継がれてきた伝統技術を使って、同世代に着てもらえる本場奄美大島紬を作り上げたい」と力を込めた。