県は外来種対策の方向性を示す条例の骨子案をまとめた。県が指定する外来動植物の取り扱いを規制し、県民の責務を明らかにして生態系への被害を防ぐのが狙いだ。県議会3月定例会に条例を提案し、本年度中の制定を目指している。
県は2015年度に外来種リスト(661種類)を作って侵入防止策を講じてきたが、新たな外来種が見つかり、県内各地の生態系が被害を受けている。
奄美・沖縄の世界自然遺産登録に向け、国際自然保護連合(IUCN)が外来種対策の拡充を求めたこともあり、専門家からは取り組みを強化する必要性が指摘されていた。
条例では在来の生物を捕食したり、駆逐したりする外来動植物を地域を定めて指定する。飼養者は動植物が逃げたりしないよう、適切な施設に収容する必要がある。指定外来動植物を販売する場合は、取り扱いの注意点などを購入者に説明しなければならない。
骨子案には指定外来動植物を防除するため、職員が他人の土地に立ち入り、捕獲や採取を認めることを盛り込んだ。外来動植物対策推進員を配置し、啓発活動を担ってもらう。
県は市町村と連携して取り組みを進める。環境林務部は「条例の制定をきっかけに外来種への関心が高まり、対策への理解が進む」としている。