台風6号は16日、奄美地方を風速15㍍以上の強風域に巻き込みながら奄
美大島の南海上を北東へ進んだ。沖永良部島で午後1時2分に最大瞬間風速2
8・8㍍を観測。与論町で午前11時44分までの1時間に6月の最大値を更
新する90・5㍉の猛烈な雨が降り、名瀬測候所は「50年に一度の記録的な
大雨となっている」として警戒を呼び掛けた。午後6時現在、与論、和泊の2
町で床上浸水3棟、床下浸水27棟の計30棟の住家被害が確認されたほか、
各地で土砂崩れも相次いだ。
名瀬測候所によると、奄美地方は北部と南部が16日午前中に強風域に入っ
た。最大瞬間風速は与論町で午後1時14分に28・3㍍と6月の最大値を更
新。天城町で午後3時4分に21・1㍍を観測した。沿岸の海域ではうねりを
伴う高波が6㍍の大しけとなった。
台風と南西諸島に停滞する梅雨前線の影響で非常に発達した雨雲が流れ込み
、南部を中心に局地的な大雨となった。与論町では同日午後1時半までの24
時間雨量が6月の最大値を更新する317・5㍉と、平年の6月1カ月分(2
27・5㍉)の1・4倍に達した。
14日午前5時の降り始めから16日午後5時までの総降水量は▽与論町4
30・5㍉▽和泊町360・5㍉▽天城町327㍉。
17日午後6時までに予想される24時間雨量は多い所で80㍉。海上はう
ねりを伴う波の高さが北部で6㍍の大しけが続き、南部で5㍍のしけとなる見
込み。降り続いた雨で地盤が緩んでおり、名瀬測候所は引き続き土砂災害や高
波への警戒を呼び掛けている。
台風は16日午後6時現在、奄美大島の南南東約140㌔の海上を時速35
㌔で東北東へ進んでいる。中心気圧は990。中心付近の最大風速は23
㍍、最大瞬間風速は35㍍。中心から東側390㌔以内と西側220㌔以内が
強風域に入っている。
台風は17日午前に奄美大島の東海上で温帯低気圧に変わる見込み。