県は県産農畜産物の新たなブランド戦略として、2019年度に「かごしまブランド」の制度を見直す。JAが中心だった認定団体を農業法人にも裾野を広げ、販売促進につなげる。品目名を「鹿児島の○○(品目)」に統一し、鹿児島を前面に出したPR戦略に力を入れる。
現行制度は「沖永良部のばれいしょ」や「徳之島のばれいしょ」、「えらぶゆり」など19品目25産地が指定されている。
野菜や果樹などは安全・安心に関する基準をクリアした「かごしまの農林水産物認証(K―GAP)」を受けていることが要件の一つになっている。
制度の見直しはブランド化運動が30年目を迎える中、消費者の根強い国産志向や農家の高齢化などの変化に対応するのが狙いだ。
指定は▽市場評価が高い(品質や出荷時期が優位)▽生産量で優位性がある(生産日本一)―ことなどが基準。生産や出荷で一定の基準を満たした農業法人や出荷業者も認定する。
ブランド名を統一する一方、「加世田のかぼちゃ」など地域名が入った産品は、審査会で認められれば「かごしまのかぼちゃ」と併記することができる。
18年度を経過措置期間とし、現在の指定品目はブランドマークを使える。19年5月に指定産品と認定団体を改めて決定。新たなブランド団体に認定されなければマークは使えないが、経過措置を適用することもある。
新ブランドの認定期間は5年間。今年7月から県内各地区で説明会を開き、9月以降に申請を受け付ける。県農政課は「消費者とのコミュニケーションを充実させ、鹿児島の強みを伝える販促体制を築きたい」としている。