龍郷町に潜居した西郷隆盛と親交のあった人物、松崎宗次郎の火縄銃が龍郷町に寄贈され、2日、同町で感謝状の贈呈式があった。火縄銃を寄贈したのは、宗次郎のやしゃごに当たる若志ヤヨイさん(74)=奄美市住用町。関係者は「狩りが好きだった西郷さんも使ったのでは」と期待を寄せる。火縄銃は町生涯学習センターりゅうがく館で開催中の「西郷隆盛と菊次郎展」(2018年4月20日~19年2月3日)で展示している。
宗次郎は1823年鹿児島県喜入町生まれ。24歳ごろに奄美大島へ渡り、初めは奄美市笠利町、後に龍郷町久場集落に移り住んだ。若志さんによると、イノシシ狩りの名人。狩り好きで知られ年も近かった西郷はたびたび松崎邸を訪れていたという。
町学芸員の川元美咲さんは「西郷は鉄砲を持って奄美大島へ来ており、県本土の大久保利通へ弾を催促したことが分かる手紙も残っている」と話し、火縄銃と西郷、松崎の関係性の研究が進むことを期待した。
感謝状の贈呈が同館であり、竹田泰典町長が「大変ありがたい。龍郷町の歴史とともに知らせていきたい」と述べた。若志さんは「長年祖父が大事にしていた品。町の方々に見ていただければ祖父も喜ぶと思う」と話した。
展示時間は午前9時~午後5時(入室は同4時半まで)。観覧無料。