奄美大島で野生生物を襲って生態系に被害をおよぼす特定外来生物マングースの防除を進める環境省と奄美マングースバスターズは27日、希少種が多く分布する奄美大島中南部の林道沿いで外来植物ムラサキカッコウアザミの除去作業を行った。約2時間の作業で90㍑入りごみ袋の15袋分を回収した。
ムラサキカッコウアザミは中南米原産。鮮やかな紫色の花が咲くキク科の植物で、観賞用として国内に持ち込まれた。奄美大島では農耕地や集落周辺のほか、日当たりの良い林道沿いに広く自生している。
除去作業は住用川の上流、奄美市住用町―宇検村間の奄美中央林道の「きょらむん橋」周辺を中心に、約1㌔の区間で行った。一帯は昨年3月に誕生した奄美群島国立公園の第1種特別地域に区分され、今年夏の登録を見込む世界自然遺産の候補地となっている。
作業には環境省の職員とバスターズのメンバーら十数人が参加。3班に分かれて林道周辺に生えているムラサキカッコウアザミを手作業で根から引き抜いていった。
除去作業は2015年に始まり4回目。バスターズ広報担当の後藤義仁さん(43)は「奄美大島でも一番希少な野生動植物が残る場所。毎年続けることで分布範囲が狭まり少なくなってきている。効果を検証してきめ細かな作業を続けていきたい」と話した。