米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)所属の輸送機オスプレイ2機が25日午後4時半から5時ごろにかけ、奄美市笠利町の奄美空港に緊急着陸した。県港湾空港課によると、けが人や機体の損傷はなかった。同6時前には2機とも離陸し、民間機の運航への影響もなかった。同空港には2017年6月にも普天間基地所属のオスプレイ1機が緊急着陸し、修理点検を行っている。
県によると、午後4時23分ごろ大阪航空局から奄美空港管理事務所に緊急着陸の連絡があった。同4時32分ごろ1機目が着陸し、同5時ごろ2機目が着陸した。
防衛省九州防衛局によると、米軍側は同省に「2機のうち1機の警告灯が点灯したため着陸した」と説明し、「点検で問題がないと確認されたため、普天間飛行場に戻る」と伝えた。警告灯が点灯した機体は同6時41分に普天間飛行場に着陸し、もう1機は米軍岩国基地(山口県岩国市)に向かったという。
在日米海兵隊(司令部・沖縄)は声明で、メンテナンス上の問題が起き、最寄りの空港に安全に着陸させるため、標準的な作業手順に従って適切な処置を取ったと強調。奄美周辺を飛行していた理由などは明らかにしていない。
オスプレイ着陸時、仕事のために奄美空港を訪れていた奄美市名瀬の会社員、蘇畑朋海さん(46)は、最初に着陸したオスプレイの乗員が左側の翼のカバーを開けて点検している様子や、2機目への荷物の移送風景を目撃。「(これまでに島内で)飛行しているオスプレイを見たことはあるが、民間空港への着陸もあり得るんだなと実感した」と話した。
鹿児島への出張のため同空港を訪れた名瀬の会社員男性(59)は、空港に向かう車の中でニュースを聞き、緊急着陸を知った。「ダイヤの乱れが少し心配だったが、影響がなくてほっとした」と胸をなで下ろしていた。
普天間基地所属のオスプレイは16年12月に沖縄県名護市沿岸部に不時着して大破したほか、17年には同県内外で緊急着陸が続いた。今年2月には海上での部品落下などトラブルが相次いでいる。